@シロアリは主に2種類
鹿児島県で家屋に被害を与えるシロアリは、主にイエシロアリとヤマトシロアリです。この2種類について家屋のシロアリ対策を行います。それ以外のシロアリ被害として、沖永良部でダイコクシロアリの被害、加世田市津貫でアメリカカンザイシロアリの被害が確認されています。
イエ白蟻羽アリの写真 ヤマト白蟻羽アリの写真

Aシロアリは夏場に活動
シロアリは温暖な気候を好み、寒さに弱く、鹿児島では主に、4月から10月にかけて活発に活動し、冬場は活動が鈍ります。しかし、気温が下がりにくい、家屋の暖かい場所では、冬場でも活動しています。

B羽アリがいっせいに飛び出した
4月から7月にかけて、羽アリは繁殖のためにいっせいに飛び出します。昼間飛び出せばヤマトシロアリ、夕方から夜にかけて飛び出せば、イエシロアリです。

C羽アリの数十倍のシロアリが活動している
生息しているシロアリの一部が羽アリとして飛び出しても、被害部にはその数十倍のシロアリ(職蟻)が残り、木材を加害しています。

Dシロアリは水を好む
シロアリの生息には水が必要です。従って雨漏りや水漏れ、結露水等が発生している床下は、シロアリの発生場所、侵入場所となり易い部分です。水が多すぎても溺れてしまいますが、シロアリは適度な湿度が維持された場所で生息します。

E乾燥していても被害はある
イエシロアリは乾燥したところでも、必要な水分を自分で運ぶ習性があり、床下が乾いていればシロアリは侵入しないというのは間違いです。イエシロアリは乾燥した小屋組にも被害を及ぼします。床下を乾燥させることは、ヤマトシロアリ対策としては有効でも、イエシロアリに対しては不十分なのです。

Fシロアリは風を嫌う
蟻土写真 シロアリの職蟻に目はなく、触覚を使って活動しています。僅かな風でも触覚の体毛が揺れると警戒し、風の無い場所に移動します。シロアリは風を避け、湿度を維持するため、活動場所を土のトンネルで覆います。この土のトンネルを蟻道、土の覆いを蟻土と呼びます。

Gシロアリ被害は蟻道、蟻土を見つける
シロアリは、床下では風の当たりにくい布基礎の隅部、配管の陰部などに蟻道をつけ侵入します。室内では、柱などの継ぎ手部などを蟻土で覆います。この土の小さな塊、蟻道、蟻土を探すことでシロアリの被害が発見できます。

Hシロアリは柔らかい木材を好む
シロアリは心材より辺材、ヒバよりマツ、米ツガなど柔らかい木材を好みます。ただし、餌材が少なくなると固い木材でも加害します。特に松、米ツガ等を好みます。杉の辺材より、桧の辺材を好みます。
Iほとんど何でも口にする
シロアリは段ボール、本、畳等も大の好物で、ジャガイモ、サツマイモ等の農作物も加害します。また、発泡スチロールなどの断熱材もよく加害します。その場合発泡スチロールは食糧としてではなく、巣の構成物、蟻道の構成物として利用します。

Jコンクリートの割れ目もかじる
シロアリはコンクリ−トでも割れ目を利用し、蟻道を設けます。割れ目が狭い時は、コンクリートをかじり、通路を広くします。活動に邪魔な物質はプラスチィク、地下ケーブルなど何でも加害します。
出展:鹿児島県土木部住宅課 発行
   「かごしま環境共生住宅ガイドブック」